泣き虫じいさん
(父が私の下の子に買ってくれたぬいぐるみ)
父の見舞いの帰り。面会時間が決まっているので、
「そろそろ帰るよ」と声を掛けて立ち上がると父は涙目になっている
ではないか。実はこないだもそうだったのだけれど、帰りになると
泣き出すのです。元気だった時は子供の頃私がが泣きそうになったり
すると、「泣きメソや~い」とからかったりする人だし、
去り際に涙をみせるとか意地でもしなかったのが、重い重い
鎧を脱いだのでしょう。私の下の子の腕をガシっとつかんで、
本当は帰って欲しくなかったのでしょうか。
「また来るからさ」と言ってエレベーターの前までお見送り。
下の子も車の中で泣いていました。私も思わず涙が。
「みんなに会いたい」とか、「K子(次女)は?」とか
弱気の発言が連発で、どんな言葉をかけていいかこちらも
分からなくて、「今みんな仕事忙しいみたいだから、落ち着いたら
来てくれるからさ」とその場を取り繕うことでいっぱいいっぱい
でした。
また行ってみないといけないが、三女も明後日は土曜だから
面会できるだろうし、寂しがり屋だったんだなぁと思わず
実感しました。今度ぬいぐるみでも置いてきた方がいいだろうか。
「今生の別れじゃないんだッ」とよく元気な時に言っていたのが
まさか逆にこちらが言う側になるとは皮肉なものです。
帰りのエレベーターで看護師さんが「不安になるんですよ」
と優しい言葉をかけて下さり、なんだか天使に見えてきた~。
看護師さんや医療従事者の方々のおかげです。
せめてうつさない、うつらないことくらいしかできないけれど
お世話になっている病院の皆さまに感謝して。
読んで下さってありがとうございました。