☆れいこさんのお部屋へようこそ☆

宮城のこと、大好きな京都や神戸、大阪、そして読んだ本のこと美味しかったものなどを書いています☆彡(時々美術音楽関係とか)

桜木紫乃「おばんでございます」を読んで

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(写真もきれい。北海道のどこかなのかな。)
ホテルローヤル」で面白い人だなと思って注目の作家さん。

エッセイもさすがいい味出してます。

この乾いた中にじわっとユーモアとか、優しさとか、言葉のセンスが

感じられて時代とマッチしている気がします。本の中で、

ヌード劇場の踊り子さんの身体の見せ方や鍛え方、生き方とかも

視点がすごいと思いました。

そしてプロとしての矜持ってどの世界でもつきつめれば同じなのだと

思いました。

 

林真理子になれると思うな」と編集さんに言われたこととか、

賞を取ったあとも実はボツが多かったとか、「書き続けて下さい」と言われて

頑張って続けて来られたこととか、主婦作家だから作家じゃなくて

「オッカ」ですとか、思わずクスッとしてしまうエピソードも

良かったです。

 

北海道ってすごい人沢山いますよね。中島みゆきんさん、松山千春さん、

ドリカムの美和さん、ヤマザキマリさん、そして桜木さん。

あの豊かな、そして厳しい冬とかも含めて素晴らしい自然がこんな

人物を輩出するのでしょうか。この中の誰か言っていたな、

「北海道は冬が長くて厳しい分、春を待ち遠しく、楽しみに思う」って。

 

林さんはキラキラして華やかでそれはそれで素敵だし好きです。

でも、桜木さんはなんか泥臭く頑張って(失礼!)主婦作家って

自分で言っているところなどなんとなく親しみが持てますね。

子供たちがアホ面して口開けてサンマを食うのを待っている件とか、

お子さんたちへの愛情も面白さの中に感じさせるテク、参考になります。

 

ホテルローヤル」も波留さんが出演で映画になるらしいが、勝手に清純派と

思っていたので、これで新たな境地へ進めるのかも見ものです。

このエッセイ、じわっと笑ってみたい方、しんみり感動したい方、

おすすめです。

ご主人に、愛とは何かと尋ねたところ、帰ってきた答えが、

「しょうもないオンナと知りつつも給料をわたす事」という粋な

やり取りとか、面白かったです。

内地の人に言われた「遅く咲く桜の話」とか、もうキリがなく

なりそうなのでこのへんで。

 

読んで下さってありがとうございました。