ベラスケス ~プラド美術館展~2018
2018年の5月に上野の国立西洋美術館にて
「ベラスケスと絵画の栄光」を見てきました。
ベラスケスと言えば、「ラス・メニーナス」が
有名ですが、早くからスペイン国王フェリペ4世に
気に入られて、宮廷画家として活躍していたようです。
今回の目玉は「皇太子バルタサール・カルロス騎馬像」
でした。立派な国王に、という思いで描かせた肖像画
でしたが、16歳位で急逝してしまいます。
パンフなどで見ると結構タッチは荒いのに、
遠くからみるとすんばらしい絵なんです。
丁寧に描くところと、さっと済ませてもいいところを
計算されているのがすごいです。
煌めく衣装にスカーフ?を風になびかせて
颯爽と馬に乗る王子。国王の期待もひとしおっだたと
思うと気の毒です。
「ラス・メニーナス」の王女も早死にしている
ようで、血筋は大事だが、近親婚のデメリットを
感じます。しかしどっかの国の王子みたいに変な女と
結婚していまうと、王族がめちゃくちゃにされて
しまったら迷惑だしなぁ。(エ〇ザべ〇女王も
大変そう)
フェリペ4世の肖像画も、ラフな狩りの途中の
絵で、「俺様の統治で国民が幸せだから、
あえて王冠かぶって毛皮のマント羽織らなくても
いいんだもんね~」という自信がうかがえます。
ベラスケスは画家以外の宮廷の仕事も
していたので、結構忙しい人だったらしいです。
肖像画が多いのですが、障害のある方もモデルに
なっています。昔は、そういう方を道化として
国王のおそばに働かせていたのですが、
きっとベラスケスはこう思っていたのでは
ないかな。
「自分の前では、たとえ国王であろうと障碍者で
あろうと、ただのひとりの人間なのだ」
という神のような視点があったのではないかと。
決して口には出さなくても。
そんな気高さと優しさと反骨精神がベラスケス
からは感じるんです。私だけかな。
あのきりっとした感じがスペインっぽいというか。
絵の中には色々ストーリーがありますね。
こういうのが絵を見る楽しみでもあります。
読んで下さってありがとうございました!